ファンの「見たい!」がぎゅっと詰まった『未来へのOne Step!』

前回に引き続き、『未来へのOne Step!~世界を結ぶ愛の歌声~』の観劇記録です。
この公演、古くから宝塚を観ているファンにとっては、本当に胸がいっぱいになる感動の連続。
「あまり期待しないで」会場に向かった自分を反省しました。
最近やたらと反省することが多め。(笑)

往年のスターさんたちと同じ空間で思い出を共有できることの喜びと、いまもなお宝塚ファンでいられる幸せを嚙みしめつつ、素敵な時間を過ごさせていただきました。
私の「見たい!」が詰まった公演の感想の続きです。
完全にタイムスリップした2時間半
公演が始まって早々、ウタコさん(剣幸)ビルの登場に泣き、想定外だったタカちゃん(和央ようか)ファントムに驚かされ、懐かしのいっちゃん(一路真輝)トートに感動し、、、
もう、ここまでで私にとっては「元取れた」と思います。(笑)
にもかかわらず、まだまだ私の「見たい!」が果てしなく続いたんです。
ワールドシリーズは後半もタカちゃんの暮らすニューヨークやら、まりこちゃんの暮らすブラジルやら、いろんな歌が登場したのですが、なんといっても日本。
宝塚の名曲メドレーには泣きまくりました。
以下、順不同ですが一部を紹介します。
懐かしすぎる「宝塚行進曲」が沁みた…
ふうちゃん(妃海風)とグンちゃん(月影瞳)だったかな?
まさか、この曲が聞けるなんて!
愛読者大会で歌われ、当時はシングルレコードとして発売もされた「宝塚行進曲」。
レコードもただの黒いドーナツじゃなくて、ピクチャーレコードでしたね、そういえば。
当時のトップスター4人(高汐巴、剣幸、平みち、峰さを理)の集合写真がプリントされたシングルレコード。
当時はなんでも買っていましたからね~。
歌詞に4組の名前が歌われているので、5組となった今、もう歌われることもないだろうと思っていたのですが、まさか、まさかで、私、大喜び!
そして、泣いた。(笑)
さすがに4組の名前の部分は歌わずでしたが、前奏を聞いただけで40年前にタイムスリップでした。
因みに今回歌われなかった4組の歌詞は
♪花 美しく咲き誇り
♪月 さわやかに照り映えて
♪雪 まぼろしか白く舞い
♪星 瞬いて夢誘う
だったと思います。
この歌の歌詞って、もろ宝塚歌劇団を歌ってるところがツボなんです。
♪嗚呼 宝塚、宝塚歌劇団
♪清く、正しく、美しく
♪栄えある伝統、受け継いで
♪未来に向かって、大行進
♪宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚
♪宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚、宝塚
しつこいくらいに宝塚。(笑)
Forever Takarazuka よりも「宝塚」が連射されます。
そうか。
今歌詞を書いていて気付きました。
「未来に向かって大行進~」の歌詞だから、この歌が選ばれたってこと?
公演タイトルが「未来へのOne Step」ですもんね。
久しぶりに超懐かしいこの歌が聞けたのは心底ありがとう!だったのですが、なぜに突然この歌が出てきたんだろう?とちょっと不思議に思っていたんですよね。
なるほど、納得。
深みが増した「王家に捧ぐ歌」
後半の宝塚コーナーは、トップさんそれぞれが思い出の曲をピックアップして歌ってくれたのですが、星組トップだったわたるちゃん(湖月わたる)は、自身のお披露目公演「王家に捧ぐ歌」でした。
礼真琴ファンとしては、数年前に御園座で上演されたこっちゃんヴァージョンが最高‼と思っては、います。
いますが、
本家、初演のわたるちゃんの歌声もまた、沁みましたぁ。。
正直なはなし、公演当時はそれほどでもなかったんですよね。
なので、背景の映像にピラミッドが映し出されこの曲が流れてきたときに、正直、消化試合かなって。(笑)
わたるちゃんファンのみなさん、申し訳ございませんっ‼
そんなことを思った私が間違っていました。
なんだろう、あの深みのある歌声。
人生を重ねてきたゆえの深みなのかな。
とにかく現役時代のそれとは「別物」でした。
礼真琴の歌とはまた別次元の感動。
ほんと、素晴らしかった‼
安寿ミラといえば「ブラックジャック」
合間に娘役さんが歌いつつトップさんが順に出てくるので、〇〇さんは多分この歌、みたいな想像をしながら見ていたのですが、ヤンさん(安寿みら)は絶対にコレしかない!と。
ヤンさんと言ったらブラックジャック。
その印象が強すぎて、逆に他が何も浮かばないという、、、良いのか悪いのか。(笑)
ヤンさんも、現役時代より声量がアップして歌が聞きやすくなりましたね。
現役時代はとにかく声質が通らないため、いつもどこか苦しそうに聞こえていたのですが、今公演のブラックジャックは聞き応え十分でした。
そしてやはり「深み」が増し増し。
当時の記憶がよみがえります。
そういえばこのブラックジャックの公演、東京公演期間とロンドン公演が重なっていたため、東京公演では2番手の真矢みきちゃんが代役を務めていましたよね。
たしか最後の3日間くらいだけは帰国後にヤンさんが出演したと思います。
それにしても、すごいことしてましたよね。
いくらダンサー安寿ミラが必要だったとはいえ、トップスターを海外公演に引っ張り出して、自組の公演を代役で乗り切るなんて、ねぇ。
ただ、逆に言えば当時のヤンミキ(安寿ミラ&真矢みき)人気がすごかった、ということでもあります。
こっちゃんの時のように急な休演で代役公演をするわけではなく、はなっから「トップスター安寿ミラは出演しません」と宣言しての東京公演。
2番手であるみきちゃんが代役を務めて、普通にお客さんが入っていたわけですから、、、すごいな。
こうして昔の話を思い出しながら書いていると、宝塚、意外となんでもありじゃん?ってことに気づいてきました。(笑)
NEVER SAY GOODBYE は和央ようかの鉄板
大好きな歌。
フランク・ワイルドホーンさんのメロディが心地よいですよね。
思い出すのは退団公演の制作発表会。
フランクの生ピアノ演奏でタカちゃんがこの曲を歌ったのですが、今思えば贅沢な環境でしたね~。
すでに世界的に有名だったフランクが、タカちゃんのために生演奏。
そして、あの頃から運命の女神は何かイタズラを仕掛けていたのでしょうか。
お稽古期間中も、フランクがタカちゃんにぞっこんだったとよく耳にします。
出待ちファンの前でハグするとかもありましたね。
挨拶がわりのハグでも、当時は「タカラジェンヌに何しとんじゃ~‼こらぁ~‼」な気持ちのファンがいっぱいいました。(笑)
それが今では、ね。
そしてこの NEVER SAY GOODBYE は不動の「和央ようかSONG」に。
今回もタカちゃんはこれを歌うだろうな~と思っていましたし、久しぶりに生歌聞きたかったので嬉しかったです。
元気はつらつショー2連発!
まりこちゃんの大劇場2作目『ジュビレーション』。
その主題歌を歌ったのですが、まりこちゃんのトップ時代はまぁまぁライトなファン生活に突入していたので、最初うたいだしの部分だけでは何の歌か気づかず。
どこかで聞いたことがあるような気がする、、、と考えていたところにサビがきて、あぁ!ジュビレーション‼と。
まりこちゃんも、下級生たちもと~っても楽しそうでした。
この公演にリアルタイムに出演していたわたるちゃんも参加して、誰よりも元気いっぱいに手を突き上げ♪ジュビレーション、ジュビレーション!~と。
見ているこちらの手拍子にもつい、力が入ってしまうほどに元気いっぱい。(笑)
そして続くは雪組の『TAKE OFF』。
これはいっちゃんのお披露目公演のショーです。
こちらも元気いっぱいの歌。
いっちゃんは何を選ぶのかな~と思っていましたが、そうきたか、という感じでしたね。
代表作であるエリザベートは前半に歌っているので、思い出深いお披露目作品にしたのかな。
まりこちゃんのジュビレーション!にはわたるちゃんが参加していたので、TAKE OFFには当時出演していたタカちゃんが参加しないかな~とちょっと期待しましたが、残念ながらここは登場せず。
でも、いっちゃんが歌うTAKE OFF、とっても懐かしくて、嬉しかったです!
今や宝塚レビューのレギュラー『ル・ポアゾン』
ウタコさんは退団公演のショー『ル・ポアゾン』の主題歌。
他のトップさんたちの懐かしい代表曲を聞きながら、最後に登場するであろうウタコさんは何を歌うんだろう?とワクワクしながら考えていました。
最大の代表作であるミーマイからは2曲、最初に歌っているのでそれ以外だと、、、
浮かぶのはこの「ル・ポアゾン」か「川霧の橋」。
やっぱりこの退団公演のいずれかしかないよね、と。
そしていよいよウタコさん!というときに、下級生たちが羽根扇を手にスタンバイするのを見て、ルポアゾン、確定。(笑)
『ル・ポアゾン』は当時から大好きなレビューだったので、ことある度にNHKの録画を観ていたのですが、ちえちゃん(柚希礼音)が中日劇場で再演して以降、再演乱発がすぎやしませんか。
正塚先生の『メランコリック・ジゴロ』なみに。
おかげで、ウタコさんの記憶がどんどん薄れていく、、、という切なさを感じていたところだったので、今回のウタコさんの生歌は最高のエネルギーチャージになりました♡
当時と変わらぬパワフルな歌声に感動。
もうね、目から鼻から大洪水です。(笑)
今回、唯一のコンビ成立
この公演でトップコンビが揃っていたのは月組の真琴つばさ&風花舞のひと組だけでした。
そのため意図的なのか、偶然なのかわかりませんが、全体的にまみちゃん(真琴つばさ)とゆうこちゃん(風花舞)が揃って登場することが多かったような。
宝塚コーナーでも、2人揃っての登場でした。
でも、この時代のショーに詳しくないので、なんの曲かはわからない …。
けっこう情熱的なやつ。
そういえばゆうこちゃん、この公演ではやたらと「男役みたいな声」でがなって歌うことが多かったのですが、なんで?(笑)
曲に合わせて頑張ってただけ?
それともそうやって歌ってみたかったの?
よく分からないけど、そういう歌い方が1曲だけじゃなかったからちょっと違和感があって。
あれは唯一、この公演で「苦手」でした。。
まみちゃんはカッコイイ。
ひたすらカッコよかった♡
そのまま現役の舞台に戻れそうなくらい、変わらないですね、このお方。(笑)
ずんこちゃんの定番「夢人」
ずんこちゃんの歌は「夢人」でしたが、この歌、よく歌われていますね。
1999年の宙組公演『ザ・レビュー’99』の中でずんこちゃんが歌ったことで、私たちの世代にはなじみがありますが、実はこの曲ってもっと昔から歌われていた歌なんですよね。
70年代に『モン・パリ』誕生50周年を記念して上演された『ザ・レビュー』という三部構成のショーがあり、その第三部「夢人」の中で歌われたのが最初みたいです。
こうして、宝塚の名曲が次世代に受け継がれていくんだなぁと嬉しく思う半面、先ほどの「ル・ポアゾン」もそうですが、もっと言えば「ミー&マイガール」にしても、新しい世代の人たちによって記憶が塗り替えられていく寂しさもあります。
ミーマイは、多くのスターさんによって再演されてきましたが、少なくとも、ゆりちゃん(天海祐希)を初演だと思っている人が増えてきた印象があります。(苦笑)
ウタコさんの初演・続演・中日公演、すべて一般ファンには映像が提供されていないことも影響しているのだと思いますが、ちょっと寂しい。。
でも、そうやって新しい世代によって受け継がれていくからこそ、名作、名曲が時代を越えて愛され続けるんですよね。
OGたちの世代交代
フィナーレはすっかり宝塚のテーマソングになっている『FOREVER TAKARAZUKA』から『すみれの花咲くころ』で幕。
フォーエバー宝塚は、大地真央時代の月組公演『ザ・レビューⅡ』の主題歌でした。
私がどっぷりハマる少し前なので、ビデオでしか見たことがないのですが、当時、宝塚が大好きだった友人に貸してもらって何度も見ました。
実はミュージカル部だった私。
この作品からの抜粋を文化祭で披露したことも。
なのでとーっても愛着があります。
退団者が最後に「すみれの・・・」ではなく、「フォーエバー宝塚」を選んでくれると、ちょっと嬉しかったりします。
そんな大好きな歌を聞きながら、ウタコさんをセンターにずらりと並ぶ懐かしい顔ぶれを眺めていて思ったこと。
この並びはもしかしたらもう見られないかもしれない、と。
ちょっと、いやかなりブルー入りました。(笑)
OGにも世代交代の時期が迫っていることを感じているからです。
私がもう少し若かったころは、OG公演の主役は鳳蘭さんであり、ベルばら四天王。
正直なところリアルタイムに知らない世代のスターさんなので、ウタコさんや自分のドンピシャ世代のスターさんが出演していても、消化試合タイムが長かったんです。
それが少しずつ、少しずつ、ウタコさんが真ん中に近づいてきて、ここ数年は私のドンピシャ世代がこうして中心に立ってくれています。
こんな時代を待っていた‼
でも、気づけばウタコさんも(まったく見えないけど)70歳を越えました。
そりゃそうだ、部活でミュージカルをやっていた自分も、50代になったんだもの。
それも、にわかに信じがたいことではある。(笑)
ウタコさんの舞台を観ていても、パフォーマンス自体は昔と変わらず力強くなんら年齢を感じさせませんが、暗転して捌けていくとき、階段を下りてくるとき、やはり昔と違う姿がありました。
それを見ながら、いやがおうにもOGの世代交代が迫っていることを実感。
そして勝手に「ウタコさんとこの世代の並びを見られるのは、もしかしたら最後かもしれない」と思い込み、号泣するめんどくさいファン。(笑)
「これからこっちゃんもOGになるからっ!」
「イベントに出てくれるかもしれないからっ!」
そう自分を励ましてみたものの、違うんですよね、それとこれとは。
かつてはウタコさんと、同期のなーちゃん(大浦みずき)が、漫才みたいに突っ込み合いながらOGイベントを仕切っている姿を想像するだけで、ワクワクMaxになったものです。
なーちゃんがあまりにも早く旅立ってしまったときには、本当にショックでした。
いつしか往年のスターさんたちからウタコさん世代にバトンが渡り、気がつけば次の世代にバトンを渡す時期が近づいていて、、、
時の経つのは、本当に早い‼
同世代のファンの方にはこの切ない思い、伝わりますかね。(苦笑)
まとめ
ちょっとブルー入ったまま終わってゴメンナサイ。
でも、これがリアルな50代。(笑)
ふーっ。
よし、今日はちえちゃんの退団公演『黒豹の如く』新人公演の放送日!
録画を観ながら、エネルギーチャージしますっ‼
これぞ、未来へのOne Step!!!←完全にこじつけ(笑)