月組ライブ配信を観た感想『花の業平│PHOENIX RISING』

月組全国ツアー公演『花の業平│PHOENIX RISING』ライブ配信を観劇しました。
今日はちゃんと13時開演であることを忘れることなく、12時半からTVをオンにしてスタンバっていたので出遅れせず見れました!
いろいろバタついていたので、12時ごろに「そういえばっ‼」って一瞬あわてて時計を見る瞬間がありましたが、なんとか。
そこからはもう「うっかり」が許されないので(笑)、ソワソワしながら30分ほどで用事を済ませ、30分前にTVを付けてライブを繋いだら予習タイムです。
私はこの作品、初演も再演もちゃんと観た記憶がなくて、多分、1回くらいは観劇しているはずなのですがストーリーも登場人物も全然浮かんでこず。
日本物の登場人物は名前が似ている人がたくさん出てくるし、歴史が絡んでいると初見ではけっこう頭がごちゃごちゃになります。
なので、誰と誰が親子でとか、誰と誰が兄弟でとか、誰が業平の従者でとか、誰と誰がどんな繋がりがあってとか、観る前に配役表を見ながらお勉強。
直前にお勉強した甲斐あって、登場人物への理解がしやすく、楽しむことができました!
礼華はるの歌声に注目
ちなっちゃん(鳳月杏)の大人の色気が駄々洩れなのは、もはや語るに及ばず。
和化粧も美しく、和装も麗しく。
なんなんでしょうね、このちなっちゃんが醸し出す独特な空気感。
長年積み重ねてきた男役として「魅せる技術」が備わっているのはもちろんなのですが、鳳月杏の魅力って「+α」な部分が大きいような印象を与えます。
理屈では説明のつかない男役の色気と、学年だけでは語れない大人の包容力。
ただ一点、どうしても気になることが。
それはちなっちゃんの発声です。
常にというわけではないのですが、特に流れるように台詞を言うときなどは「ナ行」「マ行」がかなり鼻にかかって濁ります。
活舌は悪くないのに、この発声がじゃまして耳触りを悪くしてしまって残念。
ちなっちゃんだけでなく、宝塚を見ていると、どきどきこうした特定の音がこもり、クリアに発声できないクセを持ったスターさんがいますね。
表現が適切ではないかも知れませんが、鼻が詰まった時にどうしようもなく声がこもってしまうあの感覚。
ちなっちゃんの下級生時代はあまり注目して見ていなかったので、どうだったか記憶にないのですが、上級生になって常にそのセリフや歌を耳にするようになり、最近では毎回それが気になります。
もったいないなーと。
一方で、鼻にかかった声が魅力のぱるくん(礼華はる)。
声自体は鼻にかかった独特な音質ですが、発声についてはこもることなくとってもクリアです。
今回の公演ではぱるくんの歌声に注目して見ていたのですが、とても優しい心地の良い声質と濁りのない発声で素敵でした!
セリフの声質も耳触り良く、なめらかで聞きやすいですね。
月組が、中堅どころのスター渋滞を起こしながらも、彼女を路線から外すことなく育成を継続している理由が少し理解できたかも。
おだちん(風間柚乃)のように強烈なインパクトを与えるでもなく、あみちゃん(彩海せら)のように強いキラキラを発するわけでもないけれど、シンプルな心地よさを感じさせてくれるスターさんなんだな、と。
今回のライブ中継で一番の収穫は、「礼華はる」の魅力を知ることができたこと、だったかも知れません。
いまの月組は「オールスターズ」で楽しい
おだちんは相変わらずの安定感。
お芝居でちなっちゃんの後に登場したとき、ものすごいスターオーラを感じました。
この人はトップになるべくココにいるんだわ~と。
あのスターオーラは天性のもの。
お芝居ではグイグイ引き込まれるし、ショーでは目をくぎ付けにされるし、特にファンじゃなくても幕間や終演後に「おだちん、なんかイイよね~」と皆がニコニコしながら語り合っちゃいそうなスターさん。
愛され力が高いスターさんな気がします。
普段も愛嬌たっぷりで可愛らしいですしね。
舞台のデンとした存在感と普段の可愛らしい姿とのギャップも、彼女の愛される理由のひとつなのかな。
じゅりちゃん(天紫珠李)は、華やかな、どちらかというと洋風のお顔立ちですが、平安の髪型も和装も良く似合っていて美しかった!
特に業平と出会ったときの、勝気な高子さんのお芝居がとっても好き。
宙組からじゅっちゃん(天彩峰里)の異動がなくなり、ちなっちゃんの相手役候補がほぼじゅりちゃんとみちるちゃん(彩みちる)に絞られたとき、みちるちゃん待望論の声もかなり大きかった印象がありますが、結果論として、ちなっちゃんにはやはりじゅりちゃんで正解でしたね。
みちるちゃんにはみちるちゃんの良さがありますが、業平と高子を見ていて、うん、これが正解、と思いました。
そのみちるちゃんも芝居にショーに大活躍。
お芝居では最初に出てきたとき、あまりにお顔が小さすぎて「かつら負けしてるわぁ」と思いましたが、徐々にそれも見慣れまして(笑)、可愛らしくも安定したお芝居で、さすが!と。
そのほかの出演者にも、芝居、ショー、皆それぞれに見せ場が用意されていて、路線スターのファンだけじゃなく、みんなが楽しめる構成になっているのが「月組だな~」って感じで良かったですね。
いまの月組はとにかく「オールスター」体制。
路線スターも別格スターも大渋滞気味にもかかわらず、そんなことを気にも留めず、組替え大シャッフルをも、完全スルー(笑)。
正直、それってどうなの?と思う気持ちがありましたが、今回、フィナーレでずらーっと並ぶ月組生たちを見ていたら、なんか、面白いかもって。
娘役としては久しぶりに「特別扱い」されているみちるちゃんの立ち位置も新鮮ですしね。
誰もがトップに上り詰めることは叶わないけれど、こうしたオールスター戦略は下級生たちのモチベーションアップにもつながるんじゃないかな、なんて思いながら見ていました。
この戦略がこの先、吉と出るか凶と出るかはわかりませんが …。
全ツは出演者もスタッフも大変!
ただでさえ宝塚の衣装は量も多いし装飾も多くて手入れが大変。
そしてセットも階段とかあるし、電飾とかも多いから移動⇒設置⇒撤去⇒移動がかなり大掛かりな作業ですよね。
いつも、全ツの裏事情を勝手に想像して心配になります。(笑)
特に今回のような和物とショーの2本立てとなると、地方会場での「化粧替え」は生徒さんたちにとってひと苦労なのでは⁉
ホームグラウンドやそれなりの演劇専用劇場であれば、シャワーやお風呂設備も完備されているから洗い流してお化粧替えできるけど、地方の会館さんとかの場合はその設備ないですよね?
あったとしても、40人が30分の休憩で一気に使用できるような数はあるはずもなく。
そうなると洗面設備だけで化粧落としてるの?
お肌にも悪そう。。。
そして、これは全ツだけでなく大劇場とかでもいつも思っていることなのですが、衣装のお手入れってどうやってるんだろう?と。
お衣装部さんがもちろん毎日いろいろ手入れして整えてくれているとは思いますが、舞台衣装は出演者の汗が毎日染みてしまうもの。
汗はすぐに菌が繁殖して嫌なにおいを発するので、毎日の手入れが欠かせないと思うんです。
毎日汗だくになってステージを務めているタカラジェンヌなのに、客席降りで横を通ると汗臭さなんて一切なく、むしろ美臭。(笑)
皆さん、役柄やショーのイメージに合わせたパフュームをつけてはいらっしゃいますが、実際、汗臭にパフュームを重ねたら結構ヤバい匂いになります。(笑)
なのに、タカラジェンヌはいい香りがするという謎。。。
毎日数百着のお衣装を使用しているでしょうから、さすがのお衣装部さんでもそのすべてを毎日クリーニングできないと思いますし、どうやって汗臭が発生しないように手入れしているんだろう?と。
実は私、かつて小劇場で少しだけお手伝いさせてもらったことがありまして、そのとき、演者さんが客席を使って駆け回る演出があったんですよね。
公演は毎日あるし、1日複数回の公演を繰り返すものだから、お衣装を毎回洗濯することもできません。
休演日にはしっかりとお洗濯すれど、休演日が明けて2日もたたずして、役者さんが客席を走り抜けるとツーンとしたあの嫌な「臭い」が…。
せっかく素晴らしい舞台作品だったのに、あの匂いの記憶のほうが強烈に残ってしまいました。
なので、あんなに汗だくで毎日公演しているタカラジェンヌのお衣装の手入れって、いったいどうやって行われているのか、とっても気になってしまいます。
それが全国ツアーともなればなおのこと。
すべての衣装を清潔に保つって、ものすごく大変ですよね。
なんか悪臭を発しないようにする特別な抗菌スプレーとかあるのかな?
あるなら、それ、欲しい。(笑)
まとめ
最後はちょっと話がそれましたが、今回の公演、今の月組の充実っぷりが伝わる素敵な公演でしたね!
この全ツが終われば、次回はいよいよ話題の『GUYS AND DOLLS』です。
ポスターを見ながら「絶対に観たい!」と叫ぶ人続出中なので(笑)、チケットが手に入るのか心配ではありますが、私も絶対に観たい!
さて、その前に明日は星組東京公演の3次抽選、結果発表の日です。
神様、仏様、マリア様、お釈迦様、なによりも友会様。
1枚でいいからチケットぷりーず。