『風と共に去りぬ』月組なら間違いない!勝手な配役と月組の2026年

前回花組の記事で、かりんちゃん(極美慎)のタップに関して12年間踏んでいない?と書いていましたが、博多座公演『ミー&マイガール』でタップを踏みまくっていたことを失念、ご指摘をいただき、記事に訂正を入れました。
今回は「この組でこれが観たい‼」シリーズ〔その4〕。
月組で『風と共に去りぬ』が観たい‼編です。
このシリーズのイントロダクションは↓こちらから。

まだ私が宝塚と出会う前から宝塚歌劇で繰り返し上演されてきたこの作品。
言わずと知れたマーガレット・ミッチェルの小説『風と共に去りぬ(Gone with the Wind)』が原作で、演じるスターさんによってレット・バトラー編、スカーレット編が使い分けられてきました。
2015年に轟悠の主演により中日劇場で上演された月組公演を最後に、この10年は上演されていません。
ベルばらと並び、宝塚歌劇の代表作に位置付けられている作品ではありますが、90年代以降の海外ミュージカル人気にすっかり押されて影薄し。
でも、ときどき観たくなるんですよね、この作品。
最後の上演から10年のときを経たいま上演するなら、、、を考えてみました。
『風と共に去りぬ』ヒゲ論争
この作品が最初に宝塚で上演されたのは1977年、榛名由梨がトップスターを務めていた月組公演でした。
ベルばらブームで宝塚が盛り上がっていた時代。
ベルばらで初代オスカルを演じた榛名由梨の人気もすさまじかったといいます。
レット・バトラーと言えば、あのダンディな口ひげ。
いまでこそタカラジェンヌは当たり前に役作りでおひげを付けていますが、当時は二枚目を演じるスター、ましてやトップスターは誰も付けたことがなく、悩ましい問題だったようですね。
いまでは普通にトップスターがヒゲを付けた主人公として登場しますし、例えばモンテクリスト伯など、ファンでも「そこまでやるか⁉」とビックリするような毛むくじゃらトップスター(笑)が普通に登場する現代の宝塚。
タカラジェンヌというフェアリーたちも、時を経て随分と人間らしくなったものです。(笑)
初演当時は「二枚目スターがヒゲをつけるなんて!」という時代ではありましたが、原作の中にはレット・バトラーのひげを描写している記述があることから、脚本演出を担当した植田紳爾先生は原作を踏襲することを望み、しょーちゃん(榛名由梨)にひげを付けることを勧めたといいます。
そしてついに、トップスター「ひげ1号」誕生。
レット・バトラーを演じる榛名由梨が口ひげに挑戦することになったわけです、が、、、
当時はベルばらブームで熱狂的なファンを抱えていたタカラヅカ。
しかもこの作品は2幕1本もの。
ということはトップスターがずっと「おヒゲのおじさん」なわけです。
特に初代オスカルとしてアイドル並みの人気だったという榛名由梨が「おヒゲのおじさん」を演じるわけですから、一筋縄ではいかなかったみたいですね。
そこで苦肉の策。
1幕はヒゲあり、2幕はヒゲなし。
なんじゃ、そりゃ⁉(笑)
当然ながらその不自然さから、作品を通しておひげ姿に変更されたようですが、そんなこと初めからわかるよね⁉
でも、それだけファンに配慮しなければならないほど、熱狂的なファンに支えられていたということでしょうか。
当時のなつかし映像を観ると、今とは全く異なる妙な熱気、ものすごい空気感ですもんね。
バトラー編とスカーレット編
宝塚歌劇はトップスター文化ですから、レット・バトラーの視点で描かれた「レット・バトラー編」の上演が圧倒的に多いのですが、スカーレットの視点で描く「スカーレット編」をトップスターが演じるケースもありました。
中性的な魅力をもつトップさんが誕生すると、スカーレット編が登場するようですね。
古くは安奈淳さん、汀夏子さん。
そして私もリアルタイムで観劇していた一路真輝さん。
私が知る限りでは「スカーレット編」として上演されたのはこの3人のトップさんだけだと思います。
ただ、実はバトラー編でもスカーレット役を演じてきたのは圧倒的に男役さんが多いです。
スカーレットの芯のある力強い生き様を演じるには、宝塚の柔らかいイメージの娘役さんよりも、キリリとした男役さんのほうがフィットするからでしょうか。
トップスターになる前の一路真輝、真琴つばさ、愛華みれ、香寿たつき、朝海ひかる、瀬奈じゅん、朝夏まなと、礼真琴、そしてトップになってから轟悠の相手役を務めた龍真咲。
もっと遡れば、遥くららが研4で鳳蘭さんの相手役としてスカーレット役に抜擢されたときも男役。
そこから娘役に転向してトップ娘役になっています。
スカーレットⅠをトップ娘役がシングルキャストで演じたのは、私が宝塚を見始めてからに限って言えば、麻乃佳世(全ツ)、星奈優里(全ツ)、花總まり(全ツ)の3人だけかな。
いずれも全国ツアーでした。
もっとも、1994年に月組(天海祐希│バトラー編)と雪組(一路真輝│スカーレット編)で上演されて以降は大劇場で上演することがなくなり、2013年の宙組(凰稀かなめ)が久し振りの大劇場でしたから、そうなりますよね。
いまなら絶対に月組が面白い!
さて、そんな『風と共に去りぬ』をいまの5組で上演するなれば、私の中では無条件に月組、でございます。
だって、ちなっちゃん(鳳月杏)の懐深くて、しかもスタイル抜群の「イケオジ・レット」が観たいんだもの。
絶対に客席で気絶する人、でるよ。(笑)
ここからは、2026年の月組体制で風共を上演するとしたら、の配役を勝手に妄想するコーナーです。
レット・バトラー:鳳月杏
次作『GUYS AND DOLLS』の先行画像が、信じがたいカッコよさでビビっているところではありますが、おひげを付けたイケオジ・レットも絶対カッコいい‼
現在の5組のトップスターのなかで、「大人の男」を自然に演じられるであろう唯一の人。
学年だけの話ではなく、ちなっちゃんの持つ雰囲気が18禁🔞レベルのアダルト感駄々洩れ。(笑)
レット・バトラーって、人気スターだからと言って無理やり演じさせたら、とんでもない駄作になるんですよね。
これまで過去にどれだけの駄作を量産してきたことか。
タイトル人気で売ることは非常に難しいこの作品。
初演の1977年に始まり、2004年までの間は数年ごとに連続して複数の組で上演するようなサイクルが続いていました。
そこからパタリとなくなり、2013年の宙組(凰稀かなめ主演)で久々の再演。
そのまま2014年の月組(轟悠主演)、星組(紅ゆずる主演)、2015年の月組(轟悠主演)と続き、2015年以降、現在に至るまで再演はされていません。
役者が揃わないとカードを切れない、そのことを劇団もようやく理解したのか、最後の上演から10年が過ぎた今もまーったく再演する兆しなし。
個人的にはいしちゃん(轟悠)レットの大ファンだったので、その後、彼女と肩を並べられるようなレット役者は未だ出てきていないと思っては、います。
でも鳳月杏なら、もしかしたら超えてくれるかも‼と思えてしまうわけです。
舞台に乗っかったちなつレットを想像すると、あの風共の世界観が広がっていくのを感じます。
大人の男の色気と、深い愛情、ちなっちゃんなら最高のレット・バトラーを演じてくれそうな気がします。
スカーレットI:風間柚乃
ここで風間柚乃のアシュレ、じゃまったく面白くない。
彼女は絶対に、スカーレット‼
ビジュアルもさることながら、「男役が演じるスカーレット」を、おだちん(風間柚乃)ならどう解釈して演じるのかな、ということにも関心があります。
スカーレットの持つ芯の強さと、アシュレに思いを寄せる少女のように無邪気で純粋な心、そして戦時下を生き抜く逞しさと健気さ、見てみたいですねーおだちんスカーレット。
1幕ラストの「明日になれば」を歌い上げる姿も、想像するだけでワクワクします。
ビジュアルは普通に似合っちゃうと思う。(笑)
あのセンター分けで二つにハーフアップした髪型も、オールアップにした髪型も、そしてフワフワの純白のドレスも、結婚披露のドレスも、ぜんぶ、違和感ない気がします。
そして何と言っても、フィナーレね。
レットとスカーレットが大階段を使って踊る「♪Night and Day」。
ちなっちゃんとおだちんが踊る Night and Day を踊る図、見てみたいな~。
おだちん、迫力ありそうだけど。(笑)
スカーレットII:天紫珠李
レットバトラー編でスカーレットⅠを演じたトップ娘役は、先述した全国ツアーの3人だけ。
直近の2014・2015年月組公演の愛希れいか、2013年宙組公演の実咲凛音はメラニーを演じています。
でも、じゅりちゃん(天紫珠李)にはメラニーよりも、スカーレットⅡを演じて欲しい。
目鼻立ちくっきりの美人さん二人、おだちんとのウラ・オモテ、見たくないですか?(笑)
私としては、この二人のスカーレットⅠ・Ⅱ、かなりしっくりきています。
じゅりちゃんならメラニーも似合いそうだな~と思ったのですが、それよりもおだちんとのウラ・オモテの二人の絡みのほうが興味あるな、と。
そしてじゅりちゃんのスカーレット、おそらく誰よりもヴィヴィアン・リーのビジュアルに近いと思う。
目鼻立ちといい、凛とした雰囲気といい。
おだちんもなんだけど。
いや、これ、風共史上最高のスカーレット・コンビじゃないですか⁉
アシュレ:礼華はる
ここはね、順当にぱる(礼華はる)くんで。
ちょっと鼻にかかったなんとも優しい声がアシュレのイメージに合ってるし、スラリとした長身に白い軍服は鉄板。
今後の月組の人事がいまいち見えてこない中ではありますが、2026年、ぱるくんの立ち位置はとりあえず現状維持なのかな、と思っています。
バリッとした「ザ・男役」という印象ではないぱる君ですが、私、密かにあの柔らかい雰囲気に魅力を感じている一人です。
上にはアピール力最強の風間柚乃がいて、下からは爆上げ中のキラキラ彩海せらが迫ってきているという状況の中で、どうしても埋もれてしまいがち。
彼女の個性を生かした「はまり役」でインパクトを残せば、まだチャンスは残されているんじゃないかな。
メラニー:彩みちる
ここもね、順当に彼女しかいないでしょう。
正直、あまりメラニーのイメージはないのですが、、、芸達者なみちるちゃんのことです、きっと変幻自在に「メラニー」として存在感を示してくれることでしょう。
でも、メラニーって難しい役ですよね。
ただ控えめな女性ってだけではないし、かといって出しゃばりすぎてはいけないし。
目立ちすぎず観客に印象付けるって、芝居が上手い人じゃないとなかなかできないと思いますので、芸達者なみちるちゃんの芝居心に期待です。
ときどき「やりすぎ」てしまう節もあるので、この掴みどころのないメラニーという役をどう演じてくれるのか、、、
楽しみです!←いや、上演が決まってるわけじゃないですけど。(笑)
ベル・ワットリング:彩海せら
そうなれば、ベルはあみちゃん(彩海せら)ですよね。
2015年の月組では美弥るりか、2013年の宙組では緒月遠麻が演じていたこの役。
古くは、1994年の月組公演でみつえちゃん(若央りさ)も演じていましたね、そういえば。
なんかね、キャスティングを考えだしたら真っ先にこの役を演じているあみちゃんが、ふわ~っと浮かんだんです。
ベルのあの派手な黄色いドレスを身に纏い、髪の毛を盛って、大きな帽子を被ってニッコリ微笑むあみちゃんの姿。
違和感ゼロ。(笑)
やっぱりお顔が可愛らしいからですかね、女装に違和感がなさすぎます。
でも可愛らしい姫系ではなく、ベルのようなちょっと荒くれ系のオンナがよく似合う。
次回作ガイズでも個性的な女性アデレイドを演じるあみちゃんですが、性別を超えて自然に演じ分けができる(見ていて違和感を感じさせない)スターさんはそう多くはないので、彼女のこれからのスター人生には大きなアドバンテージですよね。
ま、劇団はそれを狙っての爆上げなんでしょうけれど。
マミー:汝鳥伶(専科)
これまで代々、いろんな方が演じてこられましたが、私はゆうちゃん(汝鳥伶)のマミーがいちばん好き。
月組内で誰か適任の上級生いるかな?と考えたのですが、やっぱりマミーは専科さんかな。
歴代マミーの皆さんそれぞれに個性的で素晴らしかったのですが、ゆうちゃんマミーがいちばん印象に残っているので、今回のキャスティングはゆうちゃんに落ち着きました。
元月組ですしね。
余談ですが、私が宝塚を見始めた頃に大好きだった月組には、ゆうちゃん、いっちゃん(京三紗)、ほっしゃん(星原美沙緒)、マヤさん(未沙のえる)などなど、長年専科で活躍さている(された)方がたくさんいらっしゃいました。
現在月組で組長を務めている、みとさん(梨花ますみ)も月組で、涼風真世と同期生。
いまも現役でその舞台姿を拝見できるというのは、なんとも嬉しい限りです。
月組の2026年は …
トップ就任が高学年であったちなっちゃんなので、必然的に任期が長くないであろうことは想像がつくところですが、2026年には退団発表がある気がします。
もともと「3作」だろうと言われていましたが、年間の公演スケジュールが見直され、公演の間隔が以前より広く空くようになったので、なおのこと、3作で卒業かなと。
今回『GUYS AND DOLLS』というある意味、代表作となる目玉の演目が来たところをみると、ガイズの次が退団公演になりそうじゃないですか?
2026年いっぱい4作もありかな?と思わないでもありませんが。。。
今年は、公演日程の見直しプラス、大劇場の改修工事で少しずれたイレギュラーなスケジュールなので、来年のスケジュールがいまいち読めない。
ちなっちゃんの退団が前半なのか、後半なのか、それによってまた人事も大きく動きそうですよね。
私は未だにみなちゃん(水美舞斗)が月組に降ってくる説が濃厚じゃないかと思っている派なので、だとすれば、ちなっちゃん前半で退団、みなちゃん後半でお披露目?と勝手に想像しているのですが、どうなるのかな。
今年もまた、カレンダーが発売されるときには人事考察で盛り上がるんでしょうね。(笑)
おだちんは、安定の2番手の地位をキープ。
でもだからこそ「落下傘」が可能なわけで、、、ますます水美舞斗が降ってきそうな気配。
ぱるくんとあみちゃんの立ち位置は、今のままだと徐々に同格から立場が逆に転じていきそう。
いずれにしても昨年発表された大異動がこの夏には完了するので、2026年には新たな組替え人事が発動されるかも知れないですね。
みちるちゃんはガイズが餞別っぽいから、ちなっちゃんと同時退団の道を選ぶ気がします。
こうしてみてみると、2026年の月組には悲喜こもごも、いろいろ動きがありそうですね。
目が離せません!
まとめ
演目としてはそのうちまた再演されるでしょうけれど、実際に今回のキャスティングで月組が上演することは100%ない。
ガイズで1本物を上演しますし、短期と言われているちなっちゃんにまず、間違っても風共は回ってきませんよね。
これで回ってきたら、ファンが全力でブーイングが飛ばしそう。(笑)
でも、実のところ風間柚乃でスカーレット編、もありじゃないかと思っている私がいます。
おだちんスカーレットに対峙できるだけの、レット役者が現れれば、の話ですがね。
さて、次回はシリーズ最終回。
絶対にありえない『レ・ミゼラブル』を宙組で観たい‼をお届けします。
あり得ない妄想もまた、けっこう楽しいものです。←自己満足(笑)
〔このシリーズはこちら〕※随時更新中!




