ひとりごと

新生雪組で観たい!『エリザベート』

SETSUKI
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先日、宝塚歌劇団から雪組の公演ラインアップが発表されました。

中日劇場なき後の名古屋公演恒例となった御園座で、トップスター朝美絢が主演をつとめる海外ミュージカル『An American in Paris(パリのアメリカ人)』、宝塚バウホールでは雪組期待の若手スター華世京が主演をつとめるオリジナルミュージカル『ステップ・バイ・ミー』、そして宝塚ホテル&第一ホテル東京で開催される『夢白あや ミュージックサロン』。

1年前の星組と同じような3分割のラインアップを見て、多くのファンがあやちゃんの退団が近いことを想像したのではないでしょうか。

私もその一人です。

そして浮かんできた雪組『エリザベート』実現への期待と願望!

今日はそんな思いを綴ってみようと思います。

なぜか惹かれるエリザベートの人生

オーストリア皇后の人生を描いたウィーン発の名作ミュージカル「エリザベート」。

いまでは日本のミュージカル界の代表的な作品のひとつとして再演が繰り返されていますが、日本初演は言わずと知れた宝塚歌劇団。

一路真輝&花總まりの雪組トップコンビにより1996年に初演されました。

人生は「死(トート)」に愛され、愛することの駆け引き

この作品のテーマは、サブタイトルに「愛と死の輪舞(ロンド)」と付けられていることからもわかる通り「愛」と「死」です。

ハプスブルク家の皇族たちが様々な形で短い人生を終えていった史実に基づき、生み出されたオーストリア発のミュージカル。

秀逸なのは、エリザベートの人生が「死(トート)」に愛され、シシィ(エリザベートの愛称)がその愛に翻弄されながらも最後には彼を愛し、抵抗することなくむしろ幸福感を抱きつつ黄泉の世界へと寄り添い旅立って行くという、独特な、でも「なるほど!」と納得できる世界観。

私たちの日常は、皇后エリザベートのような劇的・激動の人生とは比べものにならない平凡な日々かも知れません。

でも、この作品に描かれた世界観と同じような「人生」を歩んでいることに、違いはないような気がします。

作品の中で、エリザベートが悲しみ・苦しみに打ちひしがれて「死(トート)」を求めようとしたとき、トートは戸惑いながらもそのシシィの自分への想いを「逃げ道ではない」と拒絶します。

この辺り、本当に恋愛と一緒だな、と。

いろんな愛の形があって、いろんな愛の選択肢がある中で、エリザベートがオーストリア皇后として生き、トートに愛され、トートを心から愛するに至るまでのドラマは本当に秀逸です。

もともとヨーロッパの歴史が好きなこともあり、この「エリザベート」には初演以来、ずっと嵌り続けています。

ミュージカルで生み出された魅力的な登場人物

史実に基づいているので、作品には多くの実在した人物が登場しています。

とはいえ、当時とは時代背景や文化習慣が大きく異なるであろう「現代の芸術家」たちが創り上げた人物なので、まったく「別もの」でもあります。

エリザベート皇后、こころの孤独を抱えながら生涯にわたって旅を続けたという彼女の人生。

大変おこがましいことながら、自身に投影し、時として重ね合わさる思いもあり、初演当時から観劇する度に感情移入し過ぎて涙が止まらなくなります。

宝塚版の雪組初演と宙組再演、のちに東宝版でもエリザベートを演じたハナちゃん(花總まり)はやはり伝説の娘役。

1幕ラストの神々しいまでのエリザベートの佇まいは、やはり右に出る者なし。

そして黄泉の帝王、トート閣下。

トートは宝塚版ではトップスターが演じる主役ですし、独特な存在感で作品の要ではありますが、エリザベートの人生の前ではどうしてもシシィを超えることはありません。

とはいえ、宝塚版『エリザベート』歴代のトートはそれぞれに魅力的で、長年の宝塚ファンとしては東宝版のトートよりも宝塚版のトートの世界観のほうが心地よかったりします。

私のお気に入りトートは初演の一路真輝は鉄板、そして2009年の月組で演じた瀬奈じゅんヴァージョンが大好きでした。

この作品の中で欠かせない大好きな人物が、皇帝フランツ・ヨーゼフ。

これは初演の雪組でゆきちゃん(高嶺ふぶき)が演じて以来、私は「フランツ・フェチ」と公言するくらいのお気に入りです。

再演につぐ再演で、これまでに多くの魅力的な「フランツ」が誕生しましたが、とにかくこの作品の中の皇帝フランツは魅力的。

シシィに拒絶されて扉越しに想いを語りかけるシーンは、毎回、鳥肌が立つくらいにド嵌りします。

もちろんそれなりにビジュアルの好みはありますが、この役は特に「人がら」がにじみ出る印象があり、個人的に一番キャスティングにこだわりたい人物です。

そして作品の影の主役、ルイジ・ルキーニ。

これは初演のイシちゃん(轟悠)の功績が非常に大きいと思います。

初演というプレッシャーと生みの苦しみの中で、あれだけの完成度でルキーニという役を日本の世に送り出したいしちゃんには尊敬しかありません。

そして以降、ルキーニは宝塚の「出世役」と言われ、トップスターへの登竜門的な位置付けにもなりましたね。

もう一人、物語の中で異彩を放つのが「陰の皇帝」である皇太后ゾフィー。

娘役の目立った役が少ないこの作品において、ゾフィーは貴重な大役。

各組のベテランや中堅どころの「歌うま」が配役されることが多いゾフィーですが、宝塚では全体的に年齢層が若いため、役作りには苦労が多いのではないかと想像します。

ゾフィは冷酷で非常に色濃いキャラクターとして描かれていますが、彼女もまた、バイエルン王の娘として王族のもとに生を受け、その生涯を政略と時代に翻弄されながら歩んだことに違いなく、もしかしたらエリザベート以上に「孤独なこころ」を抱えていたのではないかと感じることがあります。

ミュージカルでは上演時間の問題もあって描かれてはいませんが、ゾフィが病に倒れて床に伏したときに彼女を看病しその最期を看取ったのはエリーザベートだったと言われています。

宮殿の中で激しくぶつかり合ってきた二人が、ともにオーストリア皇帝の妃として孤独な心を通い合わせ、最後に同じときを過ごすことができたのなら良かったなと思います。

新生雪組で「エリザベート」を!

1996年の初演以来、数年ごとにコンスタントに再演されてきたエリザベートですが、ここ最近はしばらく上演がなく、2018年に月組が上演したのが最後です。

あれから7年のときを経て、そろそろ宝塚で「エリザベート」が観たくてうずうずしています。

東宝版の公演も2023年でひと区切りだったので、タイミング的にはいよいよ宝塚版の上演があるのではないかと期待が高まるばかり。

エリザベート上演の歴史

初演から3回連続して宝塚が上演していますが、それ以降はどちらかというと東宝の上演数のほうが上回っています。

東宝版はバラエティに富んだキャスティングができる上に、オリジナルに寄せたタイトルロール「エリザベート」が主演で描かれているので、より受け入れられやすい印象ですね。

とはいえ、宝塚でも上演回数は10回を数えます。

上演年Ver.トートエリザベートフランツルキーニ
1996年宝塚雪組一路真輝花總まり高嶺ふぶき轟悠
1997年宝塚星組麻路さき白城あやか稔幸紫吹淳
1998年宝塚宙組姿月あさと花總まり和央ようか湖月わたる
2000年東宝  
2001年東宝  
2002年宝塚花組春野寿美礼大鳥れい樹里咲穂瀬奈じゅん
2004年東宝  
2005年宝塚月組彩輝直瀬奈じゅん初風緑霧矢大夢
2005年東宝  
2006年東宝  
2007年宝塚雪組水夏希白羽ゆり彩吹真央音月桂
2008年東宝  
2009年宝塚月組瀬奈じゅん凪七瑠海霧矢大夢龍真咲
2009年東宝  
2010年東宝  
2012年東宝  
2014年宝塚花組明日海りお蘭乃はな北翔海莉望海風斗
2015年東宝  
2016年宝塚宙組朝夏まなと実咲凜音真風涼帆愛月ひかる
2016年東宝  
2018年宝塚月組珠城りょう愛希れいか美弥るりか月城かなと
2019年東宝  
2022年東宝  
2023年東宝  

宝塚版の最後が7年前の月組ですから、そろそろあるのではないかと勝手に思ってしまいます。

演出の小池先生のスケジュール次第なところもあるのかも知れませんが、明治座の『1789-バスティーユの恋人たち』は4~5月で終わるので、11月~の大劇場公演ならいけそう。

新生雪組『エリザベート』キャスト

新生雪組でエリザベートを上演するとしたら、と勝手なキャスティングを想像してみたところ、けっこうメインキャストが嵌る気がします。

いよいよもって雪組で観たくなってきました!

トート:朝美絢

過去いち色っぽい美形なトート閣下が誕生する予感。

実は個人的にはあーさ(朝美絢)にはオスカルのような役よりも、黄泉の帝王トート閣下が似合うと思っていたりします。

怪しい美しさでニコリともしないトート閣下が見てみたい。

エリザベート:夢白あや

あやちゃんが入団してきたとき、かつて星→雪のトップ娘役を務めた白羽ゆりちゃんに似ている娘役さんことで印象に残ったことを思い出します。

学年が上がるにつれさらにその面影が似てきた感があり、マリー・アントワネットを演じるあやちゃんの姿はゆりちゃんとオーバーラップしました。

あーさとあやちゃんのコンビは二人ともに凛とした美しさが魅力。

正直なところ、個人的にはあやちゃんにエリザベートは適役とは思いませんが、あーさとのコンビで観てみたい作品ではあります。

今回の公演振り分けが本当に退団フラグなのであれば、娘役の集大成をぜひ!

フランツ・ヨーゼフ:瀬央ゆりあ

もうね、絶対これ、見たいんです。

フランツ・フェチとしては、瀬央フランツを見るのが悲願なわけで。

こっちゃん(礼真琴)体制の星組では絶対に見られないと思っていたし、専科に異動してからはマイティ(水美舞斗)との格差があからさますぎて期待できなかったのですが、ここへきてなんとなく「夢を見てもいいですか?」な状況に。

なおちゃん(瀬央ゆりあ)のフランツを見られるなら、雪組さん、通います。

その前にチケットが取れない問題はありますが。

なおちゃんの人柄が吹き込まれた皇帝フランツなんて、絶対、魅力だだ洩れ。

ぜひ、実現してほしいです!

ルキーニ:縣千

出世役、トップスターへの登竜門。

過去10公演でルキーニを演じてトップスターにならないまま退団したのは、2016年の宙組公演でルキーニを演じたあいちゃん(愛月ひかる)のみです。

あいちゃんも人事のタイミングさえ良ければ、十分にトップスターとして輝けるスターさんだったと思いますが、、、なかなか厳しい世界ですね。

あがちん(縣千)はルキーニ向きのスターさんだと思います。

のんびりもしていられない学年、責任の伴う立場になってきたこの時期に、ルキーニという難しい役を演じることは彼女の成長にも大きく影響することでしょう。

個人的には、いまいちインパクトに欠ける印象のある彼女がルキーニを演じて、スターの階段をかけ上がっていく姿を見てみたいです。

ルドルフ:華世京

ここはやはり今回バウ主演が発表された雪組の御曹司、華世京がルドルフでしょうね。

このルドルフも、役替わり公演も含め過去に演じた生徒さんはトップスターに就任している人がほとんどです。

香寿たつき、和央ようか、絵麻央ゆう、朝海ひかる、大空祐飛、凰稀かなめ、明日海りお、芹香斗亜、柚香光、桜木みなと

直近でルドルフを演じたのは月組当時の暁千星と、風間柚乃。

新生雪組で上演するにあたっては、かせきょー以外にないでしょう。

ゾフィー:小桜ほのか(専科)

この役には研7のばまいちゃん(音彩唯)はさすがに若すぎるので、8月に星組から専科へ異動になるほのかちゃんが適任かと思います。

なんなら、ほのかちゃんの組替えはこのためなんじゃない?と疑いたくなるくらいのタイミング。

他の組替えと同時に発表されなかったのが謎でしたよね。

ほのかちゃんのゾフィー、激しく見てみたいです!

あの可愛らしいふんわりした雰囲気を醸し出しているほのかちゃんが、役に入ると豹変自在。

歴代のゾフィー像に新たな息を吹き込んでくれるのではないかと期待します。

そのほかの主な登場人物

この作品は、メイン以外の男役にとっては意外と目立つ役が少ないですね。

このほかに目立つ役としては、若き革命家・エルマーくらいでしょうか。

この役は初演当時、演出の小池先生が当時の若手スター和央ようかのために登場させた、宝塚版から生まれたオリジナルキャストであると記憶しています。

それだけ男役の若手スターには名の付く目立つ役がないということでもあります。

逆に娘役には出番こそ少ないですが、意外と目立つ役が多くあります。

まずは少年ながら娘役が演じることもある少年ルドルフ。

実際には男役が演じている公演のほうが圧倒的に多いのですが、1996年に初演に続いて上演された星組公演の際に娘役の月影瞳が好演した印象が強いです。

その後は2009年の羽桜しずく、2016年の星風まどか、2018年の蘭世惠翔が娘役でしたね。

まどかちゃんの少年ルドルフは素晴らしかった!

私の中で過去いちの少年ルドルフでしたね。

このほか娘役の役としては、マダム・ヴォルフや踊り子マデレーネ、ヴィンディッシュ嬢なんかは見せ場があります。

まとめ

今回は、大好きなミュージカル『エリザベート』についていろいろと綴ってみました。

エリザベートの作品には本当に多くのメッセージが込められていて、場面ごとに様々なことを感じることのできる深い深い名作です。

エリザベートという作品について、いつかまた、じっくり語ってみたいと思っていますが、今回は「新生雪組で観てみたい!」という思いに留めておきます。

夢白あやちゃんの去就も含め、その答えが出るのはもう少し先のことになりそうですね。

『エリザベート』実現への期待を捨てず、その時を待ちたいと思います。

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