宝塚歌劇の上演作品〔1928年〕

宝塚歌劇団が1928年に上演した作品を紹介しています。
前年に初演された日本初のレビュー『モン・パリ』は、宝塚大劇場で花組により上演されましたが、続く1928年には同じく宝塚大劇場で月組により上演されたのち、雪組が続演しています。
さらに、東京公演(歌舞伎座)では花組が『モン・パリ』を上演しました。
昭和初期の、まだ「外国」が未知の世界であったであろう一般市民にとって、少女たちが太ももあらわに足を上げて踊る姿はどう映ったのでしょうか。
新しい文化が生まれるときには、何かしらの批判も伴うもの。
当時の公演論評を読んでみたいものですね。
モン・パリ誕生を記念して上演された愛読者大会のなかで、とても印象に残っているセリフがあります。
正確なセリフではないのですが、
「新しいものは、新しいと言われた瞬間に古くなるもんなんだ」
新しいレビューを作るために宝塚歌劇団の出演者だけでなく、舞台を制作する方々の葛藤を描いた物語。
確か麻月鞠緒さんが演じておられた大道具の棟梁?の言葉だったと記憶しています。
制作陣に「新しい舞台を作るために力を貸してほしい」と迫られる中で、昔ながらの舞台づくりを大切にするが故の葛藤から出たセリフです。
場面転換にも「生徒たちが一生懸命踊っている後ろでトンカチトンチやれるかっ!!」と反発していました。
今でこそ場面転換は暗転しなくてもカーテンの後ろで転換していくのは当たり前ですが、当時はそれさえも「新しいこと」として反発があったなんて、と驚かされたものです。
私たちの「当たり前」というのは、こうした人々の葛藤の中で新しい文化が取り入れてきた上に成り立っているということを、今さらながら実感しますね。
あのときの愛読者大会、またスカステで放送してくれないかな。
当時のスターさんたちが少女歌劇の生徒さんに扮して、それぞれの出身地の方言で台詞を言う場面、面白くて大好きでした。
皆さんの訛りの中で、ひときわ「都会のお嬢様」だったネッシーさん(日向薫)の浮きっぷりも可愛くて。
今のスターさんたちで、また見てみたい!
雪組公演
宝塚大劇場
『夜討』(楳茂都陸平)
『生贄』(久松一聲)
『イタリヤーナ』(岸田辰彌)
花組公演
宝塚大劇場
『嫁違ひ』(堀正旗)
『北野縁起』(小野晴通)
『熊坂長範物見松』(竹原光三)
『イタリヤーナ』(岸田辰彌)
月組公演
宝塚大劇場
『三人靜』(堀正旗)
『幻想の日本』(楳茂都陸平)
『角法師』(久松一聲)
『イタリヤーナ』(岸田辰彌)
雪組公演
宝塚大劇場
『魔法博士』(引田一郎)
『土佐坊煙草攻』(久松一聲)
『モリーの婚禮』(白井鐡造)
『春のをどり』(楳茂都陸平)
花組公演
宝塚大劇場
『五月幟』(竹原光三)
『桐一と本檢校』(久松一聲)
『僞醫者』(白井鐡造)
『春のをどり』(楳茂都陸平)
月組公演
宝塚大劇場
『若紫の巻』(小野晴通)
『鏡の宮』(久松一聲)
『慈光』(楳茂都陸平)
『モン・パリ』(岸田辰彌)
雪組公演
宝塚大劇場
『悧口なイワン』(白井鐡造)
『廻り燈籠』(堀正旗)
『天女塚』(久松一聲)
『モン・パリ』(岸田辰彌)
花組公演
宝塚大劇場
『腕白物語』(竹原光三)
『秋田おばこ』(楳茂都陸平)
『潮來出島』(楳茂都陸平)
『裏の背戶屋』(楳茂都陸平)
『かつぽれ』(楳茂都陸平)
『衹王衹女』(久松一聲)
『ハレムの宮殿』(岸田辰彌)
月組公演
宝塚大劇場
『室戶の鯨』(竹原光三)
『絕えざる動き』(岩村和雄)
『お光狂亂』(堀正旗)
『ハレムの宮殿』(岸田辰彌)
雪組公演
宝塚大劇場
『樂しき今宵』(白井鐡造)
『お菊物語』(小野晴通)
『北極探險』(久松一聲)
花組公演
宝塚大劇場
『連獅子』(楳茂都陸平)
『ユーヂツト』(岸田辰彌)
『北極探險』(久松一聲)
月組公演
宝塚中劇場
『メリー・クリスマス』(宇津秀男)
『夢殿』(小野晴通)
『四人の歩哨』(岸田辰彌)
『女暫』(引田一郎)
『二人神樂師』(竹原光三)
・・・
花組公演
『夜討』(楳茂都陸平)
『生贄』(久松一聲)
『モン・パリ』(岸田辰彌)
月組公演
『鏡の宮』(久松一聲)
『慈光』(楳茂都陸平)
『イタリヤーナ』(岸田辰彌)
・・・
花組公演
名古屋・御園座
『夜討』(楳茂都陸平)
『生贄』(久松一聲)
『時の經過』(楳茂都陸平)
『鞍馬山』(竹原光三)
『スヰートホーム』(白井鐡造)
大阪・中央公会堂
演目不明
月組公演
大阪・中央公会堂
演目不明
名古屋・御園座
『桃源の朝比奈』(久松一聲)
『舞踊小品三種』
雪組公演
神戸・オリエンタルホテル
演目不明
花組公演
大津・滋賀県公会堂
『三人片輪』(竹原光三)
『守銭奴』(森英流)
『舞踊小品』(楳茂都陸平)