月組『ゴールデン・リバティ│PHOENIX RISING』感想

きょうは月組公演『ゴールデン・リバティ│PHOENIX RISING』の大千秋楽でした。
この公演は東京公演の幕が開いた直後に1度だけ劇場で観劇しましたが、2階席からの観劇だったため、今回の千秋楽ライブ配信でじっくりと復習する感じでした。
色気駄々洩れ、鳳月杏
宝塚では珍しいウェスタン作品。
カウボーイハットで顔半分がかくれてしまって、もったいないと思ってしまう自分がいます。
もともと被り物が好きではない故そこはちょっと残念でしたが、ちなっちゃん(鳳月杏)のスタイルは相変わらず抜群で、大人の色気が駄々洩れ状態。
決して器用になんでもこなすスターさんではないけれど、あふれ出る包容力と「なんかカッコイイ」という雰囲気だけで十分魅せられる貴重なスターさん。
インディアンコーデなぜかキマッてしまう。
ガールズからのモテモテ姿も板についていて嫌味がない。
ここまでの道のりには紆余曲折がありましたが、トップになるべくしてなった人だなと、今さらながら納得の舞台姿でした。
ショーではキンキン☆ギラギラちょっと眩し過ぎましたけど。(笑)
月組でストレートに路線に乗せても問題なかった人材にも拘らず、紆余曲折することになったのは、やはり劇団の110周年に向けた95期政策の煽りを受けたということなのでしょうか。
想定外のコロナ禍で110周年へ向けた政策はいろいろ変更を余儀なくされたようですし、コロナ禍を乗り越え、いよいよ110周年を迎えるというときには、劇団自体が大きな社会問題に直面しましたから、結果論として、この10年の流れについてはなんだか複雑な思いになりますね。
なにはともあれ「前例は倣うものではなく作るもの」と言わんばかりの、ベテラン臭漂う、それでいて飽きのこない色気をまき散らし、堂々たるちなっちゃんのトップ姿には心からの拍手を送らずにはいられない衝動にかられます。
実際、劇場でもいつもにも増して温かい拍手が送られているように感じました。
これからはもはや前例云々ではなく、こうしたスター誕生のドラマが続いていくことを願います。
任せて安心、風間柚乃
おだちん(風間柚乃)はやっぱり安定感抜群ですね。
劇場での初見の際にはおだちん演ずる保安官の出自がわかり辛かったのですが、ライブ配信を観てようやくストンときました。
なんで保安官が一緒に強盗してるの?とモヤモヤしながら途中で少しずつ理解した劇場観劇とは違い、理解したうえで見ると感情の動きも見えやすかったです。
宝塚のオリジナルではよくあることなのですが、1回見るだけでは理解が難しい設定が多々あって、数年前まではスカステで放送されるまでのほぼ1年間、なんとなくモヤモヤしたままなんてこともありましたが(笑)、今はこうしてライブ配信があって助かりますね。
それにしてもおだちんはなんであんなにベテラン感?
学年的にはベテランと言われてももちろんおかしくない学年に入ってはいますが、他組の同期達との格差を感じるレベルです。
そして私のキュン・ポイントはお芝居のラスト、イケメン市長さん。
先に述べたとおり、今回の作品は芝居もショーも被り物が多いので、あのイケメン市長さんにはキュンキュンしました。
ショーのパレードで大きな2番手羽根を背負っても全く見劣りしないスター性は、彼女の大きな武器ですね。
この夏、星組からかりんちゃん(極美慎)がバリバリ路線の同期が活躍中の花組へ異動しますが、100期生の今後が気になります。
月組のおだちん、花組のほのかちゃん(聖乃あすか)に少し遅れを取りつつも、星組でメキメキと力をつけてきていたかりんちゃんが花組へ送り込まれる意味を、どうとらえたら良いのでしょうか。
博多座でも2番手羽根を背負っていないほのかちゃん。
次回の大劇場ではかりんちゃんとのW2番手ということになるのかな、と想像しています。
いっぽうのおだちんは今回から堂々の2番手羽根。
現体制の花組と月組とでは、現トップスターの任期が異なるのは必然のように思うので、花組はこれからまた他組を巻き込んだ新たな動きを見据えているのかも知れませんね。
なんにせよ風間柚乃、準備は万端!な気がしました。
周りを固める次世代のスターたち
この公演、特にショーのほうではぱるくんが大活躍な気がするのは気のせいですか?
月組は、ぱるくんを組替えで放出し、あみちゃん(彩海せら)推しで進んでいくのかと感じる時期もありましたが、なぜだか月組は組替えにからまず安泰。
そして今回の公演を見る限り、ぱるくん大活躍!
韓国の場面も、前場で歌っていたかと思えば早変わりで息を切らしながら次も出てくるとか、すごくないですか?
正直なところ「え、ここはあみちゃんの場面で良くない?」って思ってしまいました。
あそこまで早変わりさせてあの場面にぱる君を使うって、あみちゃんとの格差を明確にしてるのかな?と感じました。
とはいえ、あみちゃんも確実に大事にされているので、今後の体制がどうなっていくのか興味深いですね。
ぱるくんは長身で見栄え良く、鼻にかかった独特な声が魅力的。
あみちゃんは弾ける笑顔と伸びやかな歌声が魅力的。
それぞれ個性が違うので見ていて楽しいです。
そして充実の娘役たち。
トップに就任したじゅりちゃん(天紫珠李)は言うまでもなく、みちるちゃん(彩みちる)は上級生らしからぬ可愛らしさでどんな衣装も着こなしてしまう。
個人的にはショーのインドの場面のサリー姿が可愛くて大好きです!
みちるちゃんはタイミングさえ違えばトップ娘役になってもおかしくなかった逸材。
もったいないですね。
ちなっちゃんの相手役候補が誰かという話題で常に(願望も込めて)名前は上がっていましたが、改めて彼女の舞台を見ていると、ちなっちゃんとは個性が違い過ぎてたのかなと。
そして、今回の公演で改めて「かわいい!」と思ったのが白河りりちゃん。
月組ファンの皆様にはお馴染みの可愛さかも知れませんが、ふだんあまり月組を見ていない私には上級生であっても「新鮮な可愛らしさ」でした。
おはねちゃん(きよら羽龍)はいよいよ明日から宙組生ですね。
今回の組替えでたくさん宙組に「はじめまして」な人がいるので、ひとりじゃない心強さはあるのではないかな。
まとめ
ライブ配信のおかげで、普段あまり観ていなかった組の公演もコンスタントに観るようになりました。
ゆるーく宝塚ファンをしている私にとっては、ほどよいペースで宝塚と触れることができるのでありがたいです。
さて、111期生の卒業式・入団式が無事終わり、本日月組公演が無事に千秋楽を迎えたので、来週はいよいよ110期生の組配属が発表されることでしょう。
話題の生徒さんがどの組に配属になるのか楽しみに待ちたいと思います。